どこをシステム化するのか
2021/03/19
だいぶ前だが、取引していた、エンドユーザさんに
聞かれたことがあったことを書いてみたいと思います。
「どんなところをシステム化するんですか?」
そこのユーザさんは、全般的に、
パソコン=わからない箱 or ソリティア or 麻雀
のレベル。
でも、いわれて気が付いたのだが、
なぜシステム化するかを理解してもらえてないのは、
提供する側としては、
ちゃんと説明した方がよい。
私は、確かこんなように答えていたと思う。
決まったルールで、決まった業務をシステム化すると、
業務の時間短縮になるので、
お客様の業務を理解しコストが回収できると見込んだうえで、
システム化をします。
たとえば、ある作業が決まったルールであったとき、
システム化すると、作業時間が1/10になるとします。
ただ、この時点でシステム化は決定しません。
お客様が長い目でみて、お見積もりした金額を元に、
ご相談します。
時給千円の人が、十時間かけるとすると、
一万円のコストが発生します。
でもシステム化すると、作業時間は一時間に短縮さるが、
十万円のコストがかかります。
10回作業を行うことで、システムにかけたコストは、
回収できます。
そして、さらに、9時間分作業を別の作業に割り当てられます。
と、こんな感じ。
理想に近いような説明だったが、
お客さんは十分に理解していただきました。
ある程度の役職を持った方々であれば、
システム導入などの話は伝わってます。
あとからではあったのですが、
いろいろと話を聞くと。
現場の末端レベルでは、
「なんだかわからないことがやってくるぞ」
とか
「いろいろ覚えなくてはならなくて、大変だ」
という感想の方が多いようです。
私も言われました。こんなこと。
「いまでも業務がまわっているのに、
なにもする必要ねーだろ。」
と。。。
つまり、一番使うユーザが、
否定的なところから入っている傾向があったんです。
でも、時間をかけてでも、
教えて、教えられてじっくり話して、
やっていると、
ユーザさんも見方になってくれるぐらい、
システムに対して意欲的になってきます。
提供する側としては、よろこべることであり、
どんどんお話を聞きます。
でも、ユーザさんは、何でも出来ると思い始めて、
要求がきつくなってきます。
ユーザさんがシステムの仕組みまで理解することは不可能ですが、
目線としては、「なんでもやってくれそうなハコ」に
見え始めてきます。
ユーザさんに対して、ここからもう一段階深く入っていきます。
仕様の部分です。
システムで判断できる部分と、
人間しか判断できない部分を分けて説明をする必要が出てきます。
これもまた、じっくり納得していただけるまで、
ひざを突き合せます。
このような段階をふんで、
システムが完成し、業務がまわり始めます。
システム化は、パソコンに向かうことがメインではなく、
お客さんと接することがメイン。
実体験として、本当に考えさせられました。
説明の仕方ひとつ。
操作方法ひとつ。
お客さんが画面を見るときの目線ひとつ。
画面の文字の大きさ、色。
小さなひとつひとつがつながって、
やっとシステムができるのだと。
いま思うといい経験でした。
最後には、「すごい楽になった」とか、
言われると、本当にうれしかったですね。
あとは、作業しているところをみて、
お客さんが楽になったなって、
見てわかるとき。
システム導入前と後での、
時間の使い方がかわったりと・・・。
システムは安い買い物ではありませんし、
会社に対して大きな影響を与えます。
安すぎても、危険なこともあると思いますし、
高すぎても、良いシステムとは限らないこともあると思います。
慎重な判断をして、システムを導入してほしいと思いました。
お客さんの内部事情もありますので・・・。